向田邦子さん 「霊長類ヒト科動物図鑑」 作品紹介と感想

昭和関連

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静原スズカのまったりブログをご覧いただきありがとうございます(*^▽^*)

向田邦子さんのように美人になりたい…と日々願っている静原スズカです。

本日は、そんな憧れの向田邦子さんのエッセイ「霊長類ヒト科動物図鑑」の紹介と、特に印象に残ったお話の感想をご紹介いたします!

作者がこれまでの人生で出会ってきた様々な人、出来事をユーモアたっぷりに描いています。

しかし、この直後に向田邦子さんは飛行機事故で急逝してしまいます。

そう思いながら読んでいるからか、どこかに少し儚さや翳りも感じさせる作品となっています。

作品のネタバレも多少ありますので、ご注意ください。

本日もよろしくお願いします。(*^▽^*)

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作品の基本情報とおおまかな内容

作品名:霊長類ヒト科動物図鑑

著者:向田邦子

発行所:株式会社文藝春秋

発行年:新装版 2014年7月10日 最初の発行は1981(昭和56)年

タイトルを見たら、「あれ?図鑑なのかな?」と一瞬思ってしまうくらいちょっと面白いです。

「ヒト科」と書かれているように、人間ではなくたくさんの動物の中の一つに「ヒト」がいるんだよと感じさせてくれます。

実際に作中では、ネコ、イヌ、サル、サメ、ライオン...とたくさんの動物が出てきます。

作者の向田邦子さんが出会った「ヒト科」の印象に残ったエピソードが書かれています。

旅先で見かけた外国人、街中で目に留まった知らない人、仕事で知り合った人、学生時代の先生、友達、親戚の子ども、お年寄り、タクシー運転手、警察官、美容師...と様々な人が出てきます。

向田邦子さんの細かな観察力。それを冷静に、ちょっぴり皮肉を入れて文字にして表現している力が、やはりすごい!と感じさせてくれます。

1つのお話は6ページほどで少なめですが、全部で52のお話があるので読み応えがあります。

少しずつ読み進めても良いので、とてもオススメです♪

ちなみに僕も2週間近くかけて読みました。

印象に残ったお話5選

52のお話のうち、特に印象に残ったお話を5つだけご紹介します!

やはりどのお話も面白いので、絞るのが難しかったです(;’∀’)

また、いくつかのお話は内容が難しいなと思うものもありました(小判イタダキ、写すひと、白い絵、大統領など)。

  1. 寸劇
  2. 傷だらけの茄子
  3. 合唱団
  4. ヒコーキ
  5. 虫の季節

が、僕が特に印象に残ったお話です。

※数字は、ここで紹介するために形式的に付けました。

あらすじ紹介と感想

1の「寸劇」は、作者である向田邦子さんが自宅の来客をもてなすときのやり取りを描いています。また、向田邦子さん自身が来客として相手にもてなされるやり取りも描いています。

さすが、向田邦子さんは自宅で仕事をすることが多いためか、来客も多いのですね。

受け取る手土産の数も多いのです。

来客の手に持っている荷物の大きさ、持ち重り、見た目で、来客の自分用の買い物か、お土産かを一目で判断している描写が面白いです。

それを相手に悟られないようにもてなしています。慌ただしい場面が想像できます。(*^▽^*)

時にはお互い、勘違いしてもてなしたり、もてなされたりしているので話がどんどん大きくなっていきます。

タイトルを簡潔に「寸劇」とまとめていてさすが!と思いました。

2の「傷だらけの茄子」は、以前の記事で紹介した「父の詫び状」の内容と少し似ています。

向田邦子さんの小学生くらいのときのお話です。

台風が近づいて来るとなぜか、自分を含めて向田家のみんなは張り切ってしまい、一家総出で台風対策を行うエピソードが書かれています。

確かに、僕も子どもの頃は台風が来るとなぜか少しワクワクした記憶があります。

もちろん、何も被害のないことが一番ですが、対策のために準備している描写を通して、向田家の人たちの生き生きとした姿が浮かんできます。

兄弟ゲンカも、夫婦ゲンカも、母と祖母のちょっとした気まずさも、この時ばかりは一時休戦し、みんなで一致団結しています。

無事に台風は逸れます。

翌日の八百屋に並ぶ傷だらけの茄子の描写までもが、毎回台風がくる決まった一連の流れで、おそらく毎回そうであったのであろうと思いました。

向田邦子さんの昔を懐かしむ気持ちがよく伝わってきました。

3の「合唱団」は、向田邦子さんの女学生時代に、サークルで合唱団に入ったときのお話が書かれています(ただし、晴れの舞台で合唱したのは一度きりだったそうです)。

僕も中学生の頃、部活ではありませんが合唱コンクールという学校内の行事で、アルトのパートリーダーとして奮闘したことを思い出しました。

日々の練習に励むところは、まさにスポーツと同じです。

しかし、向田邦子さんによると合唱で一番緊張するのは、本場の舞台ではなく、舞台の上にどう並ぶかの配置を決めること だそうです。

僕はここを読んでいて、まるで社会の縮図のように思えました。

最後のエピソードが特に面白いです。向田邦子さんのユーモアがあって、少しおっちょこちょいな性格が伝わってきました(かわいすぎます♡)。

4の「ヒコーキ」ですが、読んでいて涙が出てきます😢

飛行機に対する気持ちが書かれています。

初めて飛行機に乗る時に、向田邦子さんは友人に脅かされてしまい、飛行機に対して恐怖を覚えているそうです。

最期を知っているので、あのようなことになってしまったのはとても気の毒です。

「ああ、やっぱり飛行機はこわかった」と思いながら亡くなったのでしょうか。

このエッセイを書いている頃、週に一度も飛行機を利用していたそうですが、毎回自分の部屋や抽斗(ひきだし)は敢えて散らかしたままにしているそうです。

綺麗にして、何かあってからでは困るので、縁起を担いでいたそうです。

最期の飛行機に乗ったときは、部屋や抽斗を綺麗にしたのでしょうか

色々と考えさせられました。

後半は少し面白いエピソードや人々も書かれていましたが、前半の切実な想いのインパクトが強すぎるお話です。

5の「虫の季節」は、虫が苦手な向田邦子さん。僕も虫が苦手なので、とても共感ができました。

ちなみに、整理整頓が苦手なところも同じです(≧▽≦)

色々と虫にまつわるエピソードが書かれていますが、最後の一文がとても美しく締めくくられています。

このお話を読むまで、「虹」という漢字にも虫偏が付いていることに気がつかなかったです。

さすが、書くことを仕事にしているなぁと尊敬してしまうお話でした。

知的でオシャレで美人な向田邦子さんを楽しむことができる本もご紹介します。↑

本日のまとめ

本日は、僕の大好きで尊敬している向田邦子さんのエッセイ「霊長類ヒト科動物図鑑」の中の特に印象に残ったお話5つと、その感想をご紹介させていただきました!

向田邦子さんから見た様々な人々を冷静に観察し、描いています。そしてその中で生きる自分のこともまた、冷静に書いていてとても面白かったです。

まさに「図鑑」のように人間の面白さや弱さなどの生態が書かれていました

いろんな人がいるんだなーと、落ち込むときに読んだらなんだか少し元気になれるような作品です。

この記事を読んでいただいて、少しでも面白そうだなーとか、読んでみたいなーと思っていただければ嬉しいです(*^▽^*)

それでは、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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