みなさんこんにちは!昭和の映画が好きな静原スズカです。
本日は、1974年に公開された映画「砂の器」についての紹介と、感想を書かせていただきます。ストーリーネタバレもあります!!
砂の器は、幼い頃に両親がビデオテープで観ていたのを横で観ていたという、うろ覚えの思い出映画のうちの一つです。
ちなみに、他の映画は、「男はつらいよ」と「犬神家の一族」です。幼い頃に何気なく観たり聞いたものを、大人になってから改めて見聞きすると、すごく感動するものなのですね!!
本格的に観たのは確か、4年程前だったと記憶しています。自宅にDVDがありました。また、現在Amazonプライムでも視聴することができます!僕も最近は専らAmazonプライムで砂の器を楽しんでいます(^▽^)/
今回は本格的に観てから3回目の鑑賞となります。僕は昭和という時代にとても興味があり、映画の中でも昭和の街並みが出てきますが、古さはまったく感じさせなかったです。むしろ、とても新鮮に思えました。
昭和関連の記事のアイキャッチ画像は、四季の風景で設定いたしました。
それでは、本日もよろしくお願いします。
映画の基本情報
まずは、この映画について基本情報をご紹介します。
作品名:砂の器(すなのうつわ)
公開日:1974(昭和49)年10月19日
監督:野村芳太郎
原作:松本清張
脚本:橋本忍 山田洋次
出演者:丹波哲郎 加藤剛 森田健作 島田陽子 山口果林 加藤嘉 緒形拳 佐分利信 渥美清 ※敬称略とさせていただきます。
国電蒲田操車場で起きた事件を追うベテラン刑事と若手刑事と、事件の被害者の正義感溢れる男と、栄光を掴んだ音楽家の男の話です。
松本清張さんの小説が原作になっています。小説のほうの砂の器は、1961(昭和36)年7月に発売されました。現在は、新潮文庫から上下巻に分かれて発売されています。
僕も実際に小説も読んでみました。上下巻だから長いし、松本清張さんの小説は難しいのかなと最初は思いましたが、そんなことはまったく感じなかったです!!
ストーリー展開がサクサクしているので(刑事の捜査に対するひらめきがすごいです)、あっという間に読み進んで、早く次のストーリーが知りたい!!と思いながら、最後まで読みました。
小説版は、映画とはまた違う登場人物やストーリーもあり、より詳しく書かれています。映画と比較しながら読んでも面白かったです。
↓小説版の上巻です。
↓小説版の下巻です。
印象に残った場面と感想を紹介します
まず、見終わってまず思ったことは、犯人は、許されないことをしたのは間違いないけれど、これまで歩んできた人生が、過去を隠したいとか、栄光を持ち続けたいという気持ちがそうさせたわけで、なんだか複雑な気持ちになりました。
刑事さんからの視点では、事件が解決できてスカッとしますが、犯人の立場に立って思うと、少し同情してしまう気持ちにもなりました。
↓ここからは、印象に残った場面をひたすら挙げて、感想を書いていきます。
もう、最初の映像で引き込まれてしまいます。胸に迫りくる音楽。そして砂の器 という題字がバーンと大写しになります。
あーこの映画は、砂の器なんだって一発でわかりますね。音楽に乗せて、人生の儚さや、これから登場する人物の運命を物語っているように感じます!(何度も観ているから感じることかもしれませんが💦)
音楽のメロディーに哀愁もあって、涙が出そうになります。
丹波哲郎さん演じる今西刑事と、森田健作さん演じる吉村刑事のコンビもまたいいですね。芯の通った上司と、パワー溢れる若者という印象です。
蒲田で起きた事件の捜査のために、暑い夏の日に東北で捜査する二人。しかし犯人に繋がる手がかりはなかったのです。
日本海の海岸を黄昏れるお二人、早く犯人を見つけられるといいですね…!と、応援したくなってしまいます。
帰りの列車の中で、間接的に二人の刑事と、加藤剛さん演じる、ちょっとスカした天才ピアニスト兼指揮者の和賀英良(わがえいりょう)は出会ってしまいます。
食堂車の女性スタッフが、和賀英良からもらったサインが、一瞬画面に映し出されます。
…和賀英良 普通の楷書体で、サインがサインじゃないという事実...
まぁ、わかりやすいサインで見やすいですが(^▽^)
話は飛んで、いきなり紙吹雪の女のシーンに変わります。
うーむ、美人は罪ですね。美人だからこそライターの方の目に止まったんですね。
ここで、なぜ紙吹雪の女と理恵子が同一人物となったのか(・・? 刑事のカンが鋭くて、僕にはちょっとついていけませんでした。(笑)
吉村刑事は、紙吹雪の女とされる、理恵子の勤めるクラブへ訪れます。
理恵子の役は、島田陽子さんが演じられています。先日、犬神家の一族で珠世さんの役で観ました。
ちょうど観たばかりなので、なんだか印象が違うな~と感じました。
ホステスの役と、お嬢様の役ですからね。(*’▽’)当たり前ですが。
和賀英良、婚約者の山口果林さん演じる佐知子を、このクラブへ連れてきます。
婚約者をこのクラブへ連れてくるなんて、結構大胆ですね。木を隠すのは森の中、といった感じでしょうか?
作品全体の印象は、この二人の刑事のひらめきで結構とんとん拍子に捜査が進んでいきます。
被害者の養子の三木彰吉が上京してきます。演じる松山省二さん、映画「男はつらいよ 望郷篇」にも「汽車の窯焚きの青年」役で出ていたので、おおーっとテンションがあがりました。知り合いのお兄さんに会った時のような気持ちです。(笑)
男はつらいよ 望郷篇は砂の器より4年前の1970(昭和45)年に公開されました。このシリーズも、数え切れないほど観てます。
ところで、方言に関することを調べるために、ズーズー弁の分布図が、ある一か所だけ赤く塗られているのが、いい演出です。
確か原作では、黒く塗られている感じだったので。異なる点ですね!
「カメダは今も相変わらずですか」
カメダを目指して、ベテラン今西刑事は出張へ行きます。
カメダでは笠智衆さん演じる御前様…ではなく、桐原さんに被害者の三木謙一についてのお話を聞きに行きます。
ああ、行けることならカメダへ僕も行きたいです。記念写真撮りたいです。
お話はまた飛びますが、紙吹雪の女の理恵子が、少しかわいそうでした。
婚約者の佐知子は、サラッと指摘するところは潔さも感じますが。
伊勢の映画館で、渥美清さん演じる支配人が出てきます。
ああーー寅さんだ!この恐ろしい事件の犯人を探している場面に、寅さんファミリーが出演されているのは何ともほっこりします。
この支配人、警察が来たものだからなんだか興味津々なところもおもしろいです。
砂の器の中で一番好きなシーンは、和賀英良と婚約者の佐知子、そしてその父親の田所重吉が訪れる料亭?のシーンです。
田所重吉…佐分利信さんが演じていますが存在感が物凄いです。あまり登場は少なめですが。
「ここの看板料理はのう…」というセリフが、個人的にとても印象深いのです。
だいぶ飛びますが、映画はドラマチックな演出と共にラストへと向かいます。
加藤嘉さん演じる本浦千代吉と、本浦秀夫少年の永くつらい旅が、警察の会議、そして和賀英良のコンサートとリンクしながら進んでいきます。
涙が出てきます。
秀夫少年の、恨めしそうに、悲しそうに小学校の校庭を見つめるシーンが、印象的です。
そして、後の被害者となってしまう、緒形拳さん演じる三木謙一も登場します。
こんな軽い言葉で表現するのはおかしいですが、外見も性格もイケメンです。
三木謙一は、とても情に厚く人柄の良い方ですが、その良すぎる人柄もまた、考えものですね…
最後は、スカッとするとかではないですが、儚さとか、悔やみきれないという気持ちになり、映画は終わってしまいます。
松本清張さんの他の小説も、何冊か読みましたが、栄光を掴みかけた人が、転落するという手法が多いですね。しかも、この世界のどこかで、このような人がいそうな気持ちにもなれます。
本日のまとめ
本日は、映画「砂の器」の作品紹介と感想についてご紹介させていただきました!
昔この映画を見たことがあって、「そういえば、こんな場面あったな~!」と再び思い出せていただければ嬉しいです。
もちろん、映画もまだ観たことない方がいらっしゃいましたら、このブログをきっかけに、観ていただけると嬉しいです。(*’▽’)
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
終
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