静原スズカのまったりブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、映画「男はつらいよ」シリーズ第17作の寅次郎夕焼け小焼けのあらすじと感想、印象に残った場面もご紹介をさせていただきます。
豪華な共演者、サッパリとした粋なマドンナ、美しい龍野の風景、数少ない振られないオチ?の寅さんとシリーズでも人気の高い作品となっております。
もちろん僕も大好きな作品です(*^▽^*)
※ストーリーのネタバレもございますので、ご注意ください。
それでは、よろしくお願いします。
映画の基本情報とあらすじ
まずは、公開日などの基本情報をご紹介します。
作品名:男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
公開日:1976(昭和51)年7月24日
監督:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
出演:渥美清 倍賞千恵子 三崎千恵子 前田吟 佐藤蛾次郎 下條正巳 太地喜和子 岡田嘉子 宇野重吉 笠智衆 ※敬称略とさせていただきます。
ロケ地:兵庫県たつの市 東京都足立区・千代田区
ストーリーは、
- 寅さんがとらやへ帰って来ると、ちょうどその日は甥の満男の入学式。
- 少ないながらもお祝いを渡すが、小学校で寅さんのことで笑われた妹のさくらが帰宅→そこでケンカ
- ケンカして家を出た寅さんは、居酒屋でみすぼらしいおじいさん(宇野重吉)と出会う
- 寅さんは、おじいさんを「家でも居場所のないかわいそうなおじいさん」と思い、とらやへ連れて帰ってくる
- おじいさんはとらやを宿屋だと勘違いして、横柄な態度で振る舞う→寅さんが注意
- 申し訳ないと思ったおじいさんは、お礼として画用紙にサラサラっと絵を描いて、これをいくらかお金に変えてきてと頼む
- 半信半疑の寅さんだか、絵が大金で売れたので驚く→実は有名な画家池ノ内青観と判明→青観は帰宅
- またケンカして旅を始めた寅さんは、兵庫県龍野を旅する。仕事で来ている池ノ内青観と再会
- 寅さんは、青観たちと行動を共にして、連日お座敷でどんちゃん騒ぎ!そこで芸者のぼたん(太地喜和子)と意気投合して…
テーマはズバリお金の大切さです。また、人を見た目で判断してはいけないことを寅さんは教えて?くれました。途中ちょっと矛盾した発言もありますが(^^;)
そして、いつも以上に共演者の役者の方々が豪華です♡
飄々としているけど存在感のある演技の宇野重吉さん、和服の似合う落ち着いた雰囲気の岡田嘉子さん、え!あの優しい黄門様が悪い役を…な佐野浅夫さん、お見かけするとホッとする大滝秀治さんが出演されています。
また、宇野重吉さんとの親子共演を果たした若き日の寺尾聰さんも出演されています。
そしてミステリアスな美しさの太地喜和子さん演じるぼたんは、サッパリとした性格で寅さんとも息ぴったりなマドンナです。
感想
僕は男はつらいよシリーズを本格的に見出したのは、実は30作の「花も嵐も寅次郎」、5作の「望郷篇」、そして「寅次郎夕焼け小焼け」が最初なのです。
(花も嵐も寅次郎の作品紹介と感想を書いた記事 よろしければご覧ください(*^▽^*))
他の作品ももちろん素晴らしいのですが、最初に無意識に見ていたこの「寅次郎夕焼け小焼け」が、他のファン方の間でも人気の高い理由がわかる気がしました。
まずストーリーのテンポが良いと思います。静と動のはっきりとした場面が多く、見ていてまったく飽きることがありません。
一見、何の接点のない作家の青観と芸者のぼたんは、直接的に関わらないのですが(同じ場面で共演しているが会話なし)、寅さんを介して繋がっていくのが縁や運命を強く感じます。
また、男はつらいよシリーズはどの作品もですが、この作品は特に「働くことや学ぶことの大切さ」→「お金の大切さ」を教えてくれます。
童謡「夕焼け小焼け」も、龍野の美しい風景とともに流れるのも、心のふるさとのようなものを感じさせます。
そして、ぼたんというマドンナの存在も、他のマドンナとはすこし違うところが良いですね。
どこかに浅丘ルリ子さん演じるリリーを彷彿とさせます。
ぼたんも、別のシリーズで再登場してくれたら嬉しかったですが、この一度きりで失恋しない、というのが夢があって良いのかもしれません。
印象に残った場面
続きましては、僕が観ていて特に印象に残った場面をご紹介します。
全部の場面が良いので、選ぶのが難しいです(^^;)
前半~中盤
冒頭の夢の場面では、寅さんのナレーションで始まります。サメにとらやファミリーが襲われてしまいますが、「源ちゃんのしも半身」と言います。(笑)
恐ろしい場面のはずですが笑えてしまいます。
寅さんは久しぶりにとらやへ帰って来ますが、その日はタイミング悪く?満男の入学式でした。
さくらは寅さんのこと新しいクラスのみんなにバカにされてしまい、落ち込んで帰ってきます。
場の雰囲気を悪くしてしまったのは事実ですが、新しいスタートを切っていきなり周囲に嫌なことを言われたら泣きたくなりますよね…(´;ω;`)
寅さんはたまたま帰ってくるタイミングが悪かったのですね.
プイっと居酒屋へ飲みにでた寅さん。北海道出身らしい居酒屋で働くお姉さんに言った言葉が、「北海道に対するイメージがww」と突っ込みを入れたくなってしまいます。
確かに、北海道といえば広大な大地ですからね(^^)
ここで宇野重吉さん演じる青観と出会いますが…なぜ青観はあの格好であの場所にいたのでしょうか?
それはとらやのみんなも推測していますが、やはり息抜きであったり、世の中を観察しているのでしょうか。
青観は宿屋と勘違いして、とらやのみんなに横柄な態度を取ります。
寅さんに注意されて、ハッと気がついた時の顔が、急に印象が変わります。きりっとします。←ご注目
ところで、寅さんが「電気消して」「ぷちゅ」というセリフが面白いです(*^▽^*)
中盤
ケンカをして兵庫県の龍野を旅する寅さんは、道を歩いていると偶然に仕事で訪れていた青観たちと再会します。
ここはやはり映画!奇跡的な偶然ですね~(≧▽≦)
市の観光課長として桜井センリさんが登場します!桜井センリさんはここから度々、男はつらいよシリーズに出演されます。
本当いい味だしています♪車で置いてけぼりにされたりして…ちょっとかわいそうですが(^^;)
桜井センリさんは、この後の宴会の場面でもおもしろすぎますので目が離せません。(*^▽^*)
また、セリフで「~ですさかいに」という言い方を多数使っていてなんだか面白いです。
ところで、いつも疑問ですが寅さんはなぜ、行く先々で「車先生」と呼ばれるのでしょう( ゚Д゚)?
今回もまた、市役所の観光課の人々に呼ばれていました。
そしてついにマドンナ登場です!しかも、寅さんの一目惚れによる劇的な?登場ではなく自然に登場します。ここが、他のシリーズと違うのがまた良いのかもしれないですね。
ぼたんの良いところは、明るくてサバサバしているだけでなく、常に寅さんのことや、寅さんの(いるであろう)奥さん、または好きな人のことを気にかけているところだと思います。
「好きな人の幸せを願う」とまではまだ行っていないかもしれませんが、それに近い想いを抱いているのでしょうね。
ぼたん…(´;ω;`)素敵な女性だ…!!
賑やかな宴会の場面とは対照的に、青観が志乃さんという昔の恋人と再会する場面もまた、印象的です。
ここで志乃役で岡田嘉子さんが出演します。
とても気品があり、お美しい方です。また、静かに言葉を発するお姿にも惚れ惚れしてしまいます。
青観の本当に好きな人と一緒になれなかった苦悩、志乃の達観と言いますか悟りを開いていることがわかる言葉に、優しさや落ち着きが伝わりました(上手く表現できなくてすみません🙇)。
対照的に感じる場面はもう一つあります。
寅さんが龍野を去るときに、明るく見送るぼたんと、青観が龍野を去るときに、静かにお辞儀をする志乃の場面がとっても良いのです(´;ω;`)
美しすぎます…
中盤~後半
ぼたんとの思い出が忘れられない寅さんのもとに、ぼたんが訪ねてきます。
とらや一同は動揺してふわふわした態度を取ってしまいます(笑)
個人的にいいなぁと思った場面は、ぼたんがさくらと満男のことを、奥さんと子どもと勘違いする場面です。
本当にぼたんは、礼儀正しくてサッパリとした女性ということが伝わります。
また、和服が大変似合いますね(*^▽^*)ああいう風に着こなしてみたいです。
もう一つ、ぼたんが佐野浅夫さん演じる鬼頭に電話をする場面は、緊張が伝わってきます。
あの場面、実際は相手と会話なしで演技されていますよね…?迫真で、ドキッとしてしまいました。
鬼頭役の佐野浅夫さん、憎たらしく思えてしまいます(# ゚Д゚)水戸黄門で優しい雰囲気の役者さんですが( ;∀;)
健気なぼたんの手助けをしようと奮闘する寅さん!
ここには胸が熱くなりますね(´;ω;`)✨まぁ、空回りはしてしまいますが、気持ちは十分に伝わりますね。
青観とも本音をぶつけ合って、なんだか友情を感じられます。
最後の場面では、清々しい気持ちになり、ああ、これこそが男はつらいよだなぁ!!と思えてきます。
ところで、ぼたんと寅さんはお互いに「所帯を持とう」と言っていましたが、最後までビミョーにタイミングがずれてしまったのがまた面白かったです。
見終わった瞬間から、もう一度見たくなる映画です
本日は、映画「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の作品紹介と感想、印象に残った場面をご紹介させていただきました。
やはり、ファンの方々の間でも人気の高い作品なだけあって、一つ一つの場面が面白いです。
まだ、静と動を感じられる場面もあり、面白さの中に心に響くというものもあります。
まさに、見終わった瞬間から、もう一度見たくなる映画なのです。
今回、この記事を読んでいただいて、共感を持っていただければ嬉しいです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
終
コメント