静原スズカのまったりブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、北海道にあるJR函館本線の小樽駅~俱知安駅までを鉄道旅をした時のことをご紹介します。
通称山線と呼ばれているここの区間は、2030年の北海道新幹線の開通に伴い廃止が決定しています。
元々興味があり乗ってみたいと思っていた区間なので、今回ニセコへ旅行へした際に利用してみました。
大自然の中をグングン走る列車の車窓から見た風景、そしてもう少しでなくなってしまうのでその貴重さを記録としてご紹介します。
よろしくお願いします。
JR函館本線の基本情報
JR函館本線はJR函館駅からJR旭川駅間を結ぶ鉄路(総長458.4㎞)で、そのうちの長万部駅~小樽駅間の140.2㎞の区間は、通称山線と呼ばれています。
昭和の終わりごろまでは貨物列車や定期特急列車も運行されていましたが、現在は基本的に観光シーズンのみが特急列車が運行されています。
後ほど開通されたJR室蘭本線、JR千歳線ルート(通称海線)は距離は長いですがスピードが出せるので、現在は函館行きの特急列車は海線回りが使われています。
沿線の街の人口の差、地形からくる所要時間の差で、山線ルートはすっかりローカル線となってしまいました(とは言え、現在でも周辺住民の足となって活躍しています)。
最初にも書きましたが、北海道新幹線の開通ルートが長万部~俱知安~小樽~札幌と決定しているので残念ながら、山線のルートは近い将来廃止が決定しています。
料金紹介※ICカードは利用できないのでご注意ください!
今回利用した小樽駅~俱知安駅は片道1920円で、所要時間は約50分間でした。
映画「男はつらいよ 望郷篇」の舞台にもなった山線ルート!
映画「男はつらいよ」ファンの方でしたら一度は見たことがあると思いますが、1970(昭和45)年に公開された第5作「望郷篇」では、途中でここ山線ルート(舞台となる駅は小樽駅、銀山駅、小沢駅)が登場します。
見たことがない方のために、どのようなお話が少しご紹介します。
主人公の寅さんが、札幌に住んでいるかつての親分が、もう危篤状態ということで舎弟と一緒に北海道へ来ます。
病院で対面した親分は苦しそうな声で1枚のメモを寅さんに手渡します。
そのメモには生き別れ状態の親分の息子の居場所が書かれています。「会いたい」と泣きながら言う親分。
そのメモを元に、寅さんと舎弟は息子の住んでいる小樽へ訪ねて行きます。
息子は国鉄の「汽車の釜炊き」(機関士)の仕事をしています。寅さんが訪れると小樽駅で、貨物列車の運行をしようと働いていました。
寅さんが「お父さんが病気で危ない状態で、会いたがっている」と言いますが、息子は「僕には父親はいないも同然で、関係ありません」といって貨物列車を発車させてしまいます。
諦められない寅さんと舎弟はなんと、約50㎞離れている小沢駅までタクシーで追いかけます。
やっと追いついた寅さんは、自然豊かな小沢駅で息子を説得しようと試みます...というストーリーです。
映画が公開されたのは1970(昭和45)年ですが、蒸気機関車が貨物列車として走っていて、今となっては大変貴重な光景として登場します。
蘭島駅近くで貨物列車と寅さんの乗るタクシーが追いかけっこしたり、銀山駅を通過した時の寅さんの絶望した顔、小沢駅での切ないやり取りが見どころです。
「銀山、定時通過~」と淡々と仕事をこなす親分の息子と、「おーい、青年~💦」と呼ぶ寅さんが面白いです。
僕は「男はつらいよ」ファンなので乗っていて胸が熱くなりました(笑)
各駅の駅舎、車窓からの景色のご紹介
ここからは各駅の写真を載せてご紹介していきます。
車内から撮影したので、角度が少し変だったりぶれてしまっております。ご了承ください。
レトロな駅舎が素敵!小樽駅
札幌駅や新千歳空港駅から快速エアポートに乗車し、終着駅がここ小樽駅です。
ここで一気に乗客は降りていきます。俱知安駅行きは乗り換えします。
とは言え、観光シーズンだったのでまったく人がいないというわけではなく、むしろ車内は満員に近い状態になりました。
観光客の方や、鉄道ファンの方、地元の方と様々でした。
小樽駅は古くから発展したんだということがうかがえるほど、結構大きな駅です。
ここからは未知のコース!楽しみすぎてドキドキしていました。(*’▽’)
ここも「男はつらいよ」の舞台になっていた!塩谷駅
小樽駅の次の駅です。山側にグッと入り、国道5号線や住宅街を見下ろしながら走行していました。
駅舎撮るのが下手ですみません。あまり乗り降りする方はいなかったです。
調べていて気がつきましたが、こちらの駅も1975(昭和50)年に公開された映画「男はつらいよ」の第15作 寅次郎相合傘にて登場していたのです。
主人公の寅さん、マドンナのリリー、旅先で出会ったパパさんがここの駅で夜明かししていました。
夏の海水浴の思い出が詰まっている!蘭島駅
山側に入ったり海側へ出たりを繰り返しながら走行し、再び海側へと線路が出ます。
蘭島駅は、蘭島海水浴場がすぐ近くにあるので夏は賑わいそうですね。
しばらく海を見ながら走行します。
廃止になってしまうのが特に惜しい…余市駅
余市駅は、特に帰りに乗った時は小樽駅まで行く乗客の方がたくさんホームにいました。
駅舎も大きく、ホームも広々としていました。余市は車では何度も通っていましたが、こうして列車からの眺めは新鮮に感じます。
駅の近くにはニッカウヰスキーの蒸留所とミュージアム、余市宇宙記念館があるので観光スポットも近くていいですね。
余市駅も廃止の対象になっているそうですが、結構利用者数が多いように見受けられますが…今後は路線バスを中心に利用されるのでしょうね。
余市駅を過ぎてからはグングン山側に進んでいきます。ここから長万部駅までしばらく内陸部を走ります。
車窓からは果樹園の広がる!仁木駅
仁木町はフルーツの名産地でもあるので、果樹園が車窓からもよく見えてきました。
住宅も点在していてます。
駅舎もまぁまぁ大きい印象です。
山々や畑、そしてとても綺麗な川が流れています。後ほど地図で調べてみましたが、この通ったところは余市川橋梁だと思われます。見えるのは月見橋です。
この川を境に山の中に入っていきます。
丸太の駅舎が印象的な然別駅
然別駅の駅舎は丸太を使用しています。
然別駅の前後の線路では、結構撮り鉄の方が撮影をしているのを見かけました。
ここから銀山駅の間は山の中をグングンと走り、ディーゼルが唸っていました。
然別駅と銀山駅の距離間が長いな…と思い調べてみると、やはり両駅の間にはかつて山道(さんどう)駅という駅があったそうです。
とは言え、稲穂トンネルの開削工事のために造られた仮設駅なので、1903(明治36)年からの1年間で閉鎖しました。
「銀山、定時通過~」の銀山駅
いよいよ到着しました、個人的にテンション爆上がりな(笑)銀山駅です。
小樽駅からタクシーで追いついた寅さんと舎弟の登が、ここの駅のホームで機関車にのる親分の息子を「おーい…」と呼ぼうとしますが、悲しいかなゆったりと通過してしまいます。
そして何も知らない息子とその同僚は、「銀山、定時通過~」と点呼します。
ここへきて初めて気がつきましたが、銀山駅は山の上に位置していて、見晴らしがとても良かったです。
そして再び険しい山の中を進みます。
ここの駅の間には1904(明治37)年に造られた稲穂トンネル(1776m)があります。
通過する時はあっという間ですが、この時代にこのような山の中にトンネルを掘るのは大変だっただろうなと、少し感動しました。先人たちに感謝です。
かつては主要な駅だった!小沢駅
寅さんたちがやっと追いついた駅で、ここで親分の青年とホームで会話をします。
ちなみに映画ではその後に、小沢駅前の旅館で寅さんと舎弟の登は宿泊しています。
小沢駅は少し大きい駅でした。ホームもたくさんあります。
映画ではなぜここで一旦停車するのかなと疑問に思っていましたが、小沢駅ではかつて国鉄岩内線が接続していました。
岩内線は1985(昭和60)年に廃線になってしまいましたが、小沢駅は特急列車も停車していて主要な駅だったのですね。
駅のホームの風景は、映画の中とまったく変わっていなかったです。
現在は閉業してしまったそうですが、最近まではこちらの駅近くの末次商会というところで「トンネル餅」というのが販売されていました。
先ほど紹介した稲穂トンネルの開通を祝って作られたお餅で、ものすごい歴史ですね。
末次商会の建物は、寅さんと舎弟が宿泊した旅館の撮影に使われたそうです。
羊蹄山がよく見える!俱知安駅
小沢駅を過ぎると景色が開けてきて、前方には羊蹄山が見えてきます。
ニセコ地区が近づいてきたなと感じさせてくれます。
列車はここまでで終点ですが、線路はまだまだ続きます。ニセコ、長万部方面へ行く場合は乗り換えです。
俱知安駅もまた、初めて下車しましたが大きな駅です。
新幹線の停車駅になるので、駅の中は工事中でした。
ここまで約50分間の鉄道旅でしたが、山々の綺麗な景色を十分に楽しめてあっという間に感じました。
駅から見える羊蹄山です。車で中山峠を通過した時にも何度も見ていましたが、こうして列車で来て見るとまたいつもと違う感じがして良かったです。
函館本線が開通した時の当時人々と同じ景色を見ているんだなと思うと、なんだか胸が熱くなります。
まだ乗ったことがない方はぜひ乗ってみてください。オススメ
今回は、北海道にあるJR函館本線の小樽駅~俱知安駅までを鉄道旅した時のことをご紹介しました。
念願叶って乗車することができて、そして力強く美しい自然の中を列車で通ってリフレッシュすることができました。
この記事を読んでいただいて、「以前乗ったことがあるけどまた乗りたくなってきた」とか、「前から気になっていたから乗ってみようかな」と思っていただければ嬉しいです。
近い将来には廃止になってしまうので、貴重な旅になって良かったです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
終
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