みなさんこんばんは!昭和の映画が好きな静原スズカです。本日は、シリーズが全部で50作続いた映画「男はつらいよ」の第1作についてご紹介いたします!!
2021年10月9日土曜日からBSテレ東で、再び男はつらいよシリーズの放送が始まりましたね!嬉しい限りです。
寅さんの生い立ちや、柴又へ約20年振りに帰ってきて、すべてはここから始まったんだ!!と感慨深い気持ちになる作品となっております。
ストーリーと、印象に残った場面の感想を交えながら書いていきます。※ネタバレもありますのでご注意ください!
それでは、よろしくお願いします。
映画の基本情報
まずは、第1作の基本情報をご紹介します。
作品名:男はつらいよ
公開日:1969(昭和44)年8月27日
監督:山田洋次
脚本:山田洋次 森崎東
出演:渥美清 倍賞千恵子 光本幸子 前田吟 三崎千恵子 津坂匡章 佐藤蛾次郎 太宰久雄 志村喬 笠智衆 森川信 ※敬称略とさせていただきます。
ロケ地:奈良県奈良 京都府京都 京都府天橋立
ストーリーは、家出をして約20年振りに故郷の柴又へ帰ってきた寅さん。たった一人の妹のさくらと、叔父と叔母のおいちゃん、おばちゃんと再会します。喜びと歓迎ムードも束の間、さくらのお見合いをメチャクチャにしたり、おいちゃんや隣りの工場のみんなケンカをしたりとドタバタです…💦
寅さんも美人の幼なじみに恋をしてしまって、周りのみんなはヒヤヒヤしてしまいます。
というか、基本毎回、男はつらいよのストーリーは端的に言えばこういった感じです。
寅さん柴又へ帰宅→ケンカ→家出→マドンナと出会って凱旋、柴又へ帰宅→振られる(もしくは身を引く)→再び旅に出る です(^▽^)/
まさに安定です。(笑)水戸黄門並みの安定です。(笑) でも、これが好きなのです。
もともとはドラマ放映されていた男はつらいよですが、ドラマの最終回で寅さんが奄美大島へハブを捕まえに行って嚙まれて死んでしまう、というストーリーで終わってしまいました。そのストーリーではあまりにも悲しいので、スクリーンで寅さんを復活させることにしました。
1969年に第一作が公開され、そこから第五作の望郷篇まではたったの1年で製作、公開されています。製作スタッフの方々も、役者の方々もものすごいエネルギーを注いだんだろうな、ということが伝わってきます。ロケも、日本各地で行ったので大変だったろうな~(;’∀’)
ちなみに、第五作の望郷篇は、男はつらいよの最初期の総決算で、ドラマ版で出演された役者さんが出演されています(長山藍子さん、杉山とく子さん、井川比佐志さん)。それはまた別の記事でご紹介いたします(^▽^)/
ひたすら感想と、印象に残った場面紹介
記念すべき第1作のマドンナ冬子役は光本幸子さんです。さすが第一作に選ばれるだけあって、和服も似合う正統派な美人さんです。
ショートヘアが似合っています。小顔なのがよくわかります。
もう、最初にして最高です。オープニングの音楽と共に映し出される、1秒目の松竹映画の富士山から最高です。笑
そして桜の映像へ。ここで寅さんがこれまでどのように生きてきたのかが分かります。
わたくしの生まれ故郷は、葛飾柴又ですー。
こういう、視聴者の心を掴む簡潔な言葉は大事ですね、ブログの参考にさせていただきます。笑
寅さん、服装が定番のベージュのスーツとは違います。最初はグレーだったんですね。お肌ツヤツヤの若い渥美清さんが登場します。
帝釈天でチラチラっと、佐藤蛾次郎さん演じる、源ちゃんが登場します。源ちゃん、吹っ飛ばされてます。
笠智衆さん演じる御前様や森川信さんが演じるおいちゃん、三崎千恵子さん演じるおばちゃんと再会。
おいちゃんを演じた俳優は3人います。初代は森川信さんで、この第一作から第八作まで演じています。ちなみに二代目は松村達雄さんで第九作から第十三作、三代目は下條正巳さんです。
初代おいちゃんが一番寅さんに似ていて、コミカルで寅さんと派手にケンカしていた、という印象です。
そして欠かせないのは谷よしのさん!!あのシリーズきっての名脇役の谷よしのさんも登場します。
今回は、近所の人の役で出演されています。役名も無いし少ししか登場はしませんが、今後のシリーズでもほぼ毎回出演されます(旅館の仲居さん役、花売りの役、民宿のおばあちゃんの役など)。
倍賞千恵子さん演じるさくらとも感動の再会です。さくら、若くてかわいい。この時代の女性も、意外とカラーリングするんですね。しかも結構ミニスカートです。オシャレです。当時の女性のファッションを楽しめるのもまたいいですね♪
ここで印象に残るセリフです。寅さんがさくらにかけたひと言、
「どうもご苦労さん」
これは、奇しくも48作で寅さんが最後の最後に神戸の方々にかけた言葉と、まったく同じなのです。
単なる偶然なんでしょうか?50作まで製作する予定なので、48作の時点で最終シリーズとしたわけではなさそうです。
なんだか運命を感じます。しかしこの時はまだ誰も知らないのです。
第1作からもはや、後に言われる寅のアリア(マドンナとの関係が上手くいっていると、思い込んでいる時に発する名調子)が、片鱗を見せていました。言っていることがメチャクチャな時もありますが、寅さんの発する言葉は、よどみなく、情景を搔き立てます。お下品なセリフも、なぜか寅さんが言うと美しくも思えてきます。
さくらのお見合いの場面と、前田吟さん演じる博と江戸川で攻防?するこの2つ場面は、特に見応えがあるので好きです。寅さんの言葉が、聞いていて心地良い気持ちになるほどです!
おそらくですが、渥美清さん自身のアドリブも入っていそうです。それがかえって、セリフをさらに良くしています。頭の回転の速さが伺えます。
寅さんなりの恋愛指南を行う場面もおもしろいです!寅さんのつぶらな瞳?で見つめられたらイチコロです(笑)
さくらと博の結婚式のシーンは、もうカメラワークが面白すぎて・・・最高でした。
- アコーディオンカーテンの向こう側に、博の両親が座っていたところ(直前の寅さんと、太宰久雄さん演じるタコ社長の言い合いも筒抜けですw)
- 博の会社の同僚達が、余興で「スイカの名産地」を音を外して歌っている陽気な雰囲気と、神妙な面持ちで座っている博の父親(志村喬さん演じる)との対比
↑特にこの二つのシーンは個人的にツボにハマりました(笑)(^▽^)/
結婚式のシーンで、映画のラストなのかと思ってしまうくらい、観ている側は感動のピークに達します。
しかし、それだけで終わらないのが男はつらいよなのです。(笑)
幸せなさくらとちょっぴり孤独?な寅さんの対比がおもしろい!
寅さんは妹のさくらのことを、そしてさくらも兄の寅さんのことをお互い常に気にかけています。
二人は、母親の異なる、年の離れた兄妹です。さくらはお仕事も充実、結婚、出産もしていわゆる安定した幸せです。
寅さんはフーテンで、日本各地を旅しながら商売をしています。自由な幸せです。どちらも、それぞれの良さがあります。
しかし第一作に関しては、前半と後半の寅さんの落差が激しくて…本当はとても気の毒です。空回りしている寅さん…
そして、最後の方で笠智衆さん演じる御前様から、光本幸子さん演じるマドンナの冬子さんのことを聞かされた寅さんの顔が…(;’∀’)
スクリーンにバーンと大写しになった寅さんの顔を観た当時のお客さんたちは、きっと沸いたと思います。
そんな孤独というかかわいそうだ、と思えることも笑いに変えてしまう寅さん。
幸せそうな妹さくらが心配するので、余計に対比が際立ちます。
そこが一番印象に残りましたし、たいへん興味深いです。
本日のまとめ
本日は、映画「男はつらいよ」シリーズ第1作の紹介と、印象に残った場面と感想についてご紹介いたしました。
やはり、男はつらいよを見始めるならばこの第一作をまず観ることがオススメです!!
僕は第1作からは見たことがなかったので、うろ覚えで入っていったのでちょっと後悔しています(;’∀’)もちろん、他のシリーズから見てもおもしろいです。
もう、最初にして最高とはこのことです。
少しでも、第1作の良さがみなさんに伝わって、多くの方に観ていただけると嬉しいです。また、久しく観ていない方も、思い出してまた観ていただければ嬉しいです。(^▽^)/
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
終
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