映画感想~「男はつらいよ 第30作 花も嵐も寅次郎」

昭和関連

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本日は、「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎の作品の紹介と感想、印象に残った場面を書かせていただきます!記念すべき第30作目は、ジュリーこと沢田研二さんが出演されます。

僕は沢田研二さんも好きで、よく「サムライ」や「勝手にしやがれ」、「お前がパラダイス」を聴いています♪

それもあってか、実は男はつらいよシリーズの中で一番好きなのがこの作品なのです。

好きな分、感想の熱量もすごいことになりそうですが、なるべく抑え目にまとめていくように心がけます(;’∀’)

※ストーリーのネタバレもあります。ご注意ください。

それでは、本日もよろしくお願いします。

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映画の基本情報とあらすじ

まずは、公開日などの基本情報をご紹介します。

作品名:男はつらいよ 花も嵐も寅次郎

公開日:1982(昭和57)年12月28日

監督:山田洋次

脚本:山田洋次 朝間義隆

出演:渥美清 倍賞千恵子 三崎千恵子 前田吟 佐藤蛾次郎 下條正巳 田中裕子 沢田研二 朝丘雪路 笠智衆

※敬称略とさせていただきます。

ロケ地:大分県杵築市・由布市湯布院町・別府市・臼杵市・宇佐市 千葉県習志野市 東京都千代田区

ストーリーは、

  • いつも平和なとらやのみんなが、寅さんの噂をしているところに寅さんが帰宅→すぐにケンカをし家出
  • 大分県湯平温泉を旅する寅さん、亡くなった母親の故郷を巡る青年の三郎、職場の同僚のゆかりと一緒に旅行へきている螢子(マドンナ)それぞれが、同じ旅館に宿泊
  • 寅さんの粋な計らいで、旅館のみんなで三郎の母親の供養をする→マドンナの螢子と出会う
  • 翌日、三郎の車で寅さん、螢子と同僚のゆかりと4人と観光を楽しむ
  • 観光のあと、螢子とゆかりが東京へ帰ろうとする間際、三郎が突然螢子にある行動を→螢子は戸惑い、そのまま帰ってしまう
  • 不器用な三郎を見た寅さんは、あんな直接的な行動はないと、アドバイスするとすっかり信頼され、恋愛のコーチをすることになるが…

今回の寅さんは、マドンナに本気で恋をするというよりは、親身になって可愛がってあげる親戚のおじさんのような立場となります。

シリーズを重ねると何回かに一回の割合で出てくるパターンです!

もう、30作を迎えるとこの映画は、王者の風格を感じられます。初期の頃のドタバタも迫力あって見どころですが、優しいおじさんになってきた寅さんも素敵です♡

作品内では、度々二枚目(沢田研二さん演じる三郎)と三枚目(寅さん)の比較がされていて、テーマにもなっています!

寅さんも十分に、二枚目なんですがね…☆

感想

僕の感想は、男女の恋愛観の違いの比較、若者と寅さんの恋愛観の違いの比較も浮き彫りになって、面白さの中に色々と考えさせられる場面が多かったです。

また、ちょっと昔の古い価値観と、今の価値観の狭間の80年代の時代背景も感じることができました

この時代を過ごした人たちがまた、今の価値観の形成にも一役買っているんだなと思いました。

マドンナは、田中裕子さん演じるデパートで勤める螢子です。田中裕子さんの憂いのある演技にも注目です!(≧▽≦)

沢田研二さんと田中裕子さんは、この映画の共演の後にご結婚されます。

印象に残った場面~冒頭部分

冒頭の寅さんの夢では、とらや始め柴又のみんな、沢田研二さん、そしてあのSKD(松竹歌劇団)の皆さんが共演して歌って踊って豪華です(ただしなんだかノスタルジー)。

SKDは第21作「寅次郎わが道をゆく」でも出てきます♪

沢田研二さんは本編とキャラの印象が全然違うので面白いです。

夢の場面でのBGMはよくよく聴くと「男はつらいよ」のテーマ曲のメロディーなので注目です。

場所は柴又です。いきなり毎回恒例の谷よしのさんが花売りの役で登場です!

いつものように平和なとらやですが、帰ってきた寅さんがちょっとしたことで険悪なムードに。

その夜にケンカをし、「出てけ」というおいちゃん。「さくら、止めるなよ」という寅さん。本当に止めないさくら。引っ込みがつかないので本当に出ていってしまいます。ここが複雑なやり取りで、なんだか難しいなぁ…と思ってしまいました。

大分県を旅する寅さん。美しい、のどかな風景です。

啖呵売をする寅さんは、売上のお金を足の指で挟んでいたのが目に入りました。

そしていよいよ、沢田研二さん演じる三郎と、田中裕子さん演じるマドンナ、螢子がそれぞれ登場します。螢子と一緒に旅行するのは児島美ゆきさん演じるゆかりです。2人ともかわいいです♪

寅さんもこの二組と同じ旅館に宿泊します。

女子2人が温泉に浸かりながら恋愛話をします。なんだかいいですね。女子って感じがします…

寅さんが旅館の主人と団欒しているところに三郎がきて、とんとん拍子に三郎の母親の法事をすることになります。

本当に寅さんは、お葬式や法事となると張り切ります(笑) 着ている半纏をピシッと整えます(笑)

螢子とゆかりが、部屋で寅さんの噂をしています。「四角い顔!!」というセリフのあとに、寅さんの顔がバーンと、スクリーンに大写しになります。ww

法事の場面では、お焼香と和尚さん(殿山泰司さんが演じています)それぞれがクローズアップされます。これは伏線で、このあととんでもないことが起こります。

この作品一番の笑いどころです(*^▽^*)

翌日、旅館を出た寅さんはマドンナ達2人と合流します。螢子とゆかりはデパートで働いています。

ゆかりは、螢子には変な色気があると言います。こういうセリフ、今の映画やドラマには使われなさそうですよね。

寅さんのあっけらかんとした顔と、マドンナとの対比が面白いです。

お墓参りも終えた三郎は、マドンナ2人を観光に誘います。寅さんもセットで付いてきて、一瞬顔がこわばりました。(笑)

4人は、サファリパークへ行ったり遊園地へ行ったりと、しばらく観光を楽しみます。寅さんが遊園地って…可愛すぎます(^^)/♡

螢子とゆかりの帰り際、三郎は突然螢子に想いを伝えますが、あっけなく振られてしまいます。

寅さんの心に火が付きます。恋愛=寅さん ですからね♪

わしと付きおうてください」って、寅さん脚色し過ぎですww

三郎と寅さんのやり取りのシーンでは、三郎が友達から借りた車、日産ブルーバードが上手く映し出されます。

そして、ここから寅さんの恋愛コーチが始まります…

印象に残った場面~中盤部分

柴又の場面へ変わります。ケンカして家を出た寅さんを思って、とらやのみんなはしんみりとしています。

寅さんもですが、とらやのみんなもなぜか空回りしてしまって、いつも仲良くいかないのがもどかしいでね。

と同時に、寅さんと三郎が帰宅します。フラフラになって表れる二人。渥美清さん、三枚目の演技サイコーです(^^)/

ヘトヘトに疲れた三郎も、とらやの親切パワーでおもてなしされて、すっかり体力回復になります。団欒のシーンは、ほっこりします…☆

チンパンジーの難産の会話では、三郎の言葉足らずで周囲を誤解させてしまいます。螢子への告白も言葉足らずで…残念です

帰宅しようとする三郎はこっそりと寅さんに、マドンナ螢子とのコーチを頼みます。

なんだか危なっかしい寅さんですが、恋する三郎からしたら藁にも縋る思いで、必死さが伝わります。

見送り後、階段を上がる寅さんによる、寅のアリアが始まります!やっぱりめちゃめちゃいい声で、惚れ惚れしてしまいます。

その後は、マドンナ螢子とゆかりの働いているデパートの場面と、三郎の働いている動物園の場面になります。

働く若い男女のリアルな風景です。接客は大変ですよね。僕も接客業をしているので、大変共感できます。💦

ある日の夕方、マドンナ螢子がとらやへ挨拶に立ち寄ります。田中裕子さんの美しさと色っぽい雰囲気で、大変魅力的な場面です。

またまたある日の夕方、仕事帰りのマドンナ螢子は、寅さんとバーで再会します。

この場面では、マドンナの微妙な心が上手く表現されています。

個人的に今回のマドンナは、自分に自信のないという点がとても共感できます。恋愛に少し臆病になったり。ちょっと、今までのマドンナとは違うタイプです。

寅さんは、恋のキューピッド役は本当に上手だと思います。

一方とらやでは、とらさんの帰りを待つ三郎。螢子の反応はどうだったかの結果を、早く知りたいようです。

ここで寅さん登場です。 なんだか、第1作の博とさくらの恋愛模様彷彿とさせます。(笑)

螢子が三郎との恋愛に気後れする理由は、「あんまり二枚目だから」。これに対し、「男は顔ですか?」と返す三郎。

三郎のような二枚目の男性がいうところに違和感を覚え、なんだか滑稽に映ります。(笑) イケメンもまた、つらいのですね…

真面目な顔をして、「寅さんは恋をしたことがありますか?」と聞く三郎。寅さんは自分のことを得意げに、「俺から恋を取ったら造糞機だよ!」と言い切ります。汚いww まさに名言です!

切ない二枚目の三郎とは対照的です。

印象に残った場面~後半部分

後日、あまりにも可哀想な三郎に、とらやのみんなはだましうちのお見合いを決行します。

螢子との会話をイメトレして、手取り足取り教える寅さん。なんでも聞かないとわからない三郎。この青年にもまた、共感ができます。

誰でも片思いをしていたら、絶対に成功させようと思って何でも人に聞いてしまいますよね。

しかし、いざマドンナ螢子が登場して一番ドギマギしているのは寅さんでした☆ こういうところが寅さんらしくて面白いです。

江戸川の土手でデートをし、少しだけ仲を深めることができました。若いって素晴らしい。めでたしめでたし。

ではなくて、まだまだ二人の恋の苦労は続きます!(>_<)

マドンナの螢子は、20代後半なのか親や親戚からも結婚のプレッシャーを与えられます。

この時代では、20代前半で結婚する人が多いから焦らされたのでしょうね。なんだか気の毒に思えます。

三郎のハッキリしない態度にもモヤモヤしています。

そんな中、「柴又のとら」から電話がきて、落ち込む螢子はとらやへ遊びに行くことにします。タイミングが良すぎる寅さん。優しい…

「俺は暇だよ~!」と電話口で言う寅さんの後ろで、バタバタと忙しく掃除するおいちゃんとおばちゃんとの対比が面白いです。

寅さんが柴又駅へ迎えに行くと、憂いのあるマドンナが、駅のホームを歩いています。色っぽい~

とらやで団欒をします。話をしていくと、マドンナの考えと寅さんの考えにすれ違いが生じます。

遊びだけの恋愛ではなく、三郎と結婚したいと将来を見据える螢子。

お互いが好きで、一緒にいることが一番幸せだという寅さん。

やはりさくらやおいちゃんは、螢子の考えに共感します。

想いを伝えるために、螢子は三郎の勤める動物園へ行きます。

併設されている遊園地の観覧車が、良い錆び具合をしています(ロケ地になった谷津遊園は、映画公開の一週間前に閉園しました)。

ここから先は、素敵すぎる場面へ差し掛かるので、割愛します。(*’▽’)

寅さんの教えのとおり、なかなか好きを言わない三郎ですが、やはり螢子は好きと言葉にしてほしいようです。

ここは、男女の恋愛観の違いなのか、寅さんと若者たち恋愛観のギャップが生まれつつあるなと思いました。

最後は寅さん、二人の恋愛を成就させられなかったと旅へ出ようとしますが、結果上手くいきます。やはり振られた形になってしまいます。

旅へでる間際の寅さんのセリフが、なんとも二枚目です。

年明け、とらやでお手伝いをする螢子は、寅さんと電話で会話をします。涙もろいマドンナに、寅さんも少し泣いていました。

本日のまとめ

とても長い文章になってしまってごめんなさい!

本日は、映画「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」の紹介と感想、印象に残った場面を書かせていただきました。

細かい描写がおもしろくて、何度も見てしまうほど好きな作品です。とてもオススメです♪

ところで、なぜ沢田研二さんの役名が三郎なのかが疑問です。長男のはずなのに

第30作だからか、それとも三枚目の逆説的な意味なのか(・・? また新たな疑問が生まれました(;’∀’)

みなさんも、この作品を観て共感していただければ嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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