映画感想~「男はつらいよ 第8作 寅次郎恋歌」人間の本当の暮らしを考える~

昭和関連

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みなさんこんばんは!静原スズカです。秋もだいぶ深まってきました。

本日はオススメの映画、男はつらいよ 寅次郎恋歌」の作品情報と感想についてご紹介いたします!

先日、第1作に関する紹介記事を書きましたが、順番に作品紹介をしていなくてすみません!基本的に、観たい作品をランダムに紹介していくので、時代も前後してしまいますがご了承ください。

※ストーリーのネタバレもあります。ご注意くださいませ。

なかなかの味のある、そして男らしい寅さんを感じる作品となっております。

それでは、本日もよろしくお願いします。

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映画の基本情報

まずは、第8作の基本情報をご紹介します。

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作品名:男はつらいよ 寅次郎恋歌

公開日:1971(昭和46)年12月29日

監督:山田洋次

脚本:山田洋次 朝間義隆

出演:渥美清 倍賞千恵子 三崎千恵子 前田吟 森川信 岡本茉莉 吉田義夫 志村喬 笠智衆

※敬称略とさせていただきます。

ロケ地:岡山県高梁市 山梨県北杜市 神奈川県三浦市

ストーリーは、

  • 柴又へ帰宅して早速ケンカ→家出
  • さくらの元へ、夫の博の母親が危篤、今すぐ帰れとの電報が届き、さくらと博は岡山へ
  • 岡山にて博の実家でお葬式、寅さんも同席しメチャクチャになる
  • 寅さんは残された博の父親を慰めるためにしばらく滞在→そこで博の父親から諭されて影響される
  • 影響された寅さんは柴又へ帰宅、大人しく過ごそうとするがマドンナと出会ってしまう...

そのあとは定番ですが、マドンナのために奔走し、最後は再び旅に出てしまいます。

ちょうど50年前(半世紀前!!)の作品で驚きです。時代も感じられます。

作品のテーマとして、人間の本当の暮らし 放浪する人(寅さんや旅一座の皆さん) 定住する人(とらやのみんなやマドンナ)について描かれています。

マドンナは、池内淳子さん演じる、夫を亡くし、小学校3年生の男を抱えて柴又で喫茶店をオープンした貴子です。

しっとりと落ち着いた女性で、子どもを抱えながら一人で仕事や子育て、家事に奮闘しています。もちろん美人です。

初代おいちゃん演じる森川信さんはこの作品の公開後に病気で亡くなってしまいました。あんなに元気に、コミカルに演じられていたのに…悲しいです。

第1作で登場した博の父親演じる志村喬さんも再登場されます。なんだか、志村喬さんのファンになってしまいました。イケメンで好きです♡

↑志村喬さんが出演される第1作です。

劇中は、シリーズ定番となったセリフもたくさん出てきて、笑えてしまいます。

ひたすら感想です 前半~颷一郎とのやり取りが見どころ!

この映画を観た僕の感想は、人間の本当の幸せは、人それぞれで、例え寅さんのように放浪する人もまた、自由な幸せです

博の父の颷一郎の考えにももちろん共感できますが、誰かと一緒に生きて、その場所でずっと定住して自由を奪われるのだとしたら、それは幸せとは言えないかな?と思いました。

冒頭、珍しく夢の場面では始まりません。後のシリーズでも度々登場する旅一座の皆さんが初登場します。

雨が降っていて商売上がったりの寅さんと旅一座は心を通わせます。岡本茉莉さんが演じる、一座の花形である大空小百合、かわいらしいです。寅さんに「仕事はおもしろいか?」と聞かれて「はい、とっても」と即答します。自分の仕事に誇りと楽しさを持っていて、とても良いことです。

柴又のとらやでは、兄の寅さんをバカにされて涙する、倍賞千恵子さんが演じるさくら。とても兄想いです。

みんなが噂すると帰宅する寅さん。とらやのみんな、早く声をかけて出迎えればいいのに、不自然に出迎えてケンカして…あーあ、と思ってしまいます。💦

おいちゃんの動き面白すぎます(≧▽≦)

まくら、さくら取ってくれ…労働者諸君~!!と定番のセリフが出てきます。

ケンカして酔って帰ってきた陽気な寅さんと、落ち込むさくらとの対比が際立つ場面が始まります。寅さんに歌って~!とせがまれたさくらが歌った歌のチョイスが…笑笑

しんみりする場面ですが、なんだかそれすらも笑ってしまう…笑 寅さんには怒鳴って𠮟るよりもこっちのほうがインパクトあるみたいですね!♪

数日後、さくらと前田吟が演じる博のもとに、電報が届きます。博の父に呼ばれて2人は岡山へ行きます。岡山での場面では時折、蒸気機関車が登場します。

電報や蒸気機関車と、なんだか時代を感じます✨カッコイイと思えてきます。

残念ながら博の母は亡くなってしまいます。博の2人の兄と、そして父親の颷一郎(ひょういちろう、と読みます)を演じる志村喬さんが登場します!待ってました~(^▽^)/

ここで急遽参加した寅さんとの対比が、より際立っています。

お葬式の時の、博の父の悲痛な顔が、バーンと映し出されます。この斜めから映すカメラアングルが、あの第1作のさくらと博の結婚式のシーンを彷彿とさせます。

食事の場面と記念撮影の場面では、寅さんやらかします。(笑)

ようござんすか、ようござんすね、ブター (≧▽≦)

はい、笑って~、はい、泣いて~ (≧▽≦)

笑いどころ満載です。(笑)

この後は少し真面目で、考えさせられる場面です。寅さんは登場はしません(;’∀’)

気ままな父親と、バラバラな気持ちの博たち三兄弟… 女性(亡くなった母であり妻)に頼り過ぎたなぁ。という印象です。

お葬式が終わり、寂しそうな博の父を元気づける寅さんはなんだかんだで優しい~(*’▽’)と思いました。口は悪いし、食費や酒代はかかりそうですが(;’∀’)(笑)

またもや、寅さんと博の父との対比が色濃くでる場面に差し掛かります。それはこの第8作の作品のテーマ、人間の本当の暮らし 放浪する人 定住する人について言及されています。

自由気ままを謳歌する寅さんに、リンドウの花と、家族の食事風景と、それが本当の人間の生活(以下、リンドウの花の話) と諭しますが、僕は博の父、颷一郎さんが自分自身へも言い聞かせているようにも思えました。

ひたすら感想です 中後半~マドンナのために奔走する!

中後半は、寅さんはリンドウの花の話ですっかり影響され、柴又へ帰ってきます。また、ついにマドンナの貴子(池内淳子さん演じる)が登場します!

ここでも、定番のセリフが出てきます。

色々反省してさ… と、きっちゃてんコーシーを飲む!とぶち上げます。

その日の晩は、寅さん早速、リンドウの花の話を寅のアリアとしてとらやのみんなに披露します。

おいちゃん(森川信さん演じる)とおばちゃん(三崎千恵子さん演じる)はこの話にはピンと来ていないようです。僕の考えは、2人はそういう人間の自然は生活のなかで当たり前に生きているからなのでは?と思いました。

翌日、帝釈天を散歩する寅さんが、ついにマドンナと出会ってしまいます!こっちまでハラハラしてきます(笑)

そしてタコ社長(太宰久雄さん演じる)とケンカをして追いかけて、なぜかタコ社長はマドンナが切り盛りする喫茶店へと逃げ込みます。

なぜタコ社長はあの喫茶店へ逃げたのか(・・? これも、寅さんとマドンナを引き合わせる運命ですね…

惚れてしまった寅さんの顔がキリッとしてイケメンです(`・ω・´)

小学校3年生の男の子を持つマドンナ。自分が恋した相手は既婚者なので、切なくて苦しい気持ちになる寅さん。

寅さんはマドンナに向かって、「坊やのお父さんによろしく…」と伝えるように言いますが、マドンナが3年前に夫を亡くしてしまい、一人で育てていると言います。

ここで疑問なのが、寅さんは夫の存在を探ったのか?それとも無意識に自分の気持ちを断ち切るために言ったのか?と謎が残ります。

しかし、寅さんの恋のテンションはうなぎ登りです(*^▽^*)

翌日からは、寅さんの猛アタックが始まります!堂々と喫茶店へ行く!つもりが恥ずかしさのあまり、さくらも連れて行きドギマギしてしまいます。

それでも男気を出す寅さんに、マドンナはときめいているのか?何とも言えない表情をしています。

退屈しているマドンナの息子を見た寅さんは、近所の子どもたちとも一緒に引き連れて遊びます。

江戸川の土手で遊んだりと、無邪気に子どもと遊ぶ寅さん・・・優しすぎます(´;ω;`)

それを知った母であるマドンナも、新しい友達が出来て良かったと、パッと笑顔になります。良かった、良かった。

ちょっとしたことで再びケンカをするおいちゃんと寅さん。こんなにもコミカルで派手なケンカも、見納めなのか…と思うと悲しいです。

それにしても、渥美清さんのアドリブかな?と思うほどセリフに対してマドンナが笑ってました。(笑)

それを言ったらおしまいよ!? とまたまた定番のセリフが飛び出します。

ケンカしてとらやへ戻れないので、江戸川の土手で暇を潰す寅さんに、マドンナの息子とその友達が給食のパンを持ち帰って恵んでくれます。

ちょっと情けないですね(;’∀’)

ここれ博の父、志村喬さん再登場です。リンドウの花の話のくだりで、おいちゃんが盛大に墓穴を掘りました。ここは爆笑です。ww

さくらと博の子どもの満男と、博の父の颷一郎と寅さんの組み合わせが最高です。

マドンナの想いを募らせる寅さんは最高潮に。浮かれて歌なんかうたっています。

そんな様子を、さくらと電話をするおいちゃん。動き回る寅さんを受話器越しに追いかけて、聞かせている描写が面白すぎます。

いよいよ終盤に差し掛かります。

リンドウの花を持ってマドンナの家へ訪ねる寅さん。

気持ちがとてもこもっています…人間の本当の暮らしを、あなたとしたいんだ、という意味を込めているのでしょうね。

そして、リンドウの花の話をマドンナにも聞かせます。これってもう、愛の告白ですよね?!

ここで不思議なのが、ハッキリと振られたわけではないのに、寅さんは身を引いてしまいます。ここからは考察なのですが、

マドンナは、寅さんの自由気ままな姿をうらやましいと言います。私も旅へ出たい。だけど結局は、家や仕事に囲まれて生活する日々にどっぷり浸かるマドンナは、寅さんとは違う世界に生きています。寅さんは自分でそれを実感し、マドンナの前からひっそりと姿を消します。

僕はそう感じました。

それにしても、寅さんは失恋した相手に後にキチンと手紙を出して、いい人ですね!僕がもし振られたとしたら、もう恥ずかしさで一生会いたくないですが…スパッとしています。

最後は再び、旅一座のみんなと再会します。ああやっぱり、寅さんはフーテンなんだなぁ!と改めて感じるラストです。

本日のまとめ

本日は、男はつらいよ 寅次郎恋歌の紹介と感想について書かせていただきました!

この感想を読んで、共感してくださったり、また観たいな~!と思えていただければ嬉しいです。

また、寅さんの映画をまだ見たことがない…という方にも観るきっかけになれば嬉しいです。

寅さんの名セリフがたくさん出てくるので、とてもおもしろくてオススメです♪それでは、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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